GLP-1受容体作動薬は、もともと2型糖尿病の治療薬として開発された注射薬・経口薬の総称です。近年は強力な体重減少効果が確認され、肥満症治療薬としても注目されています。
GLP-1とは
GLP-1(Glucagon-Like Peptide-1, グルカゴン様ペプチド-1)は、私たちが食事をした際に小腸から分泌される消化管ホルモンです。膵β細胞からのインスリン分泌を促し、グルカゴンの分泌を抑え、胃の動きを遅らせることで血糖値の急上昇を防ぎます。さらに視床下部の食欲中枢にも作用し、満腹感を高めます。
このGLP-1の作用を薬理学的に再現したものが「GLP-1受容体作動薬(GLP-1アナログ)」です。マンジャロはGLP-1受容体に加えてGIP受容体にも作用するデュアルアゴニストとして、さらに強力な血糖降下・体重減少効果を発揮します。
主なGLP-1受容体作動薬
- マンジャロ(チルゼパチド)
- GIP/GLP-1受容体デュアルアゴニスト。週1回皮下注射。2023年に国内で2型糖尿病治療薬として承認。チルゼパチドは肥満症治療薬として「ゼップバウンド」の名称で2024年1月に国内承認。
- オゼンピック(セマグルチド)
- GLP-1単一受容体作動薬。週1回皮下注射。2型糖尿病治療薬。
- リベルサス(経口セマグルチド)
- 世界初の経口GLP-1受容体作動薬。1日1回内服。2型糖尿病治療薬。
- ウゴービ(セマグルチド)
- セマグルチドを有効成分とする肥満症治療薬。2023年に国内承認。一定の条件を満たす肥満症患者が保険適用の対象。
- ビクトーザ(リラグルチド)
- 1日1回皮下注射。2型糖尿病治療薬。
GLP-1受容体作動薬の効果
- 血糖コントロール改善 — HbA1cの低下、食後高血糖の改善
- 体重減少 — 食欲抑制と満腹感の増大により無理のない減量が可能
- 低血糖を起こしにくい — 血糖値が高いときだけインスリン分泌を促す
- 心血管イベントリスクの低下 — 一部の薬剤では心血管保護効果が報告されている
適応となる方
GLP-1受容体作動薬は、以下のような方に処方を検討します:
- 2型糖尿病の方で、内服薬だけでは血糖コントロールが不十分な方
- 2型糖尿病に肥満を伴う方
- BMI25以上で健康障害を合併する肥満症の方(自由診療)
- 食事・運動療法だけでは十分な減量効果が得られない方
1型糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、重度の胃腸障害がある方、妊婦・授乳中の方、膵炎の既往がある方等は使用できない場合があります。
主な副作用と注意点
GLP-1受容体作動薬の副作用として最も多いのは消化器症状(悪心・嘔吐・下痢・便秘)です。多くは投与開始初期や増量時に現れ、徐々に軽減します。重大な副作用として急性膵炎、胆嚢疾患、低血糖(他の糖尿病薬併用時)が報告されています。
詳しい副作用情報、特にマンジャロに関しては「マンジャロについて」のページをご覧ください。
当院での処方
当院ではマンジャロを中心としたGLP-1受容体作動薬の処方を行っています。対面・オンラインのいずれにも対応し、定期的な血液検査と問診により安全な治療を提供します。初診からオンライン診療をご利用いただけます。
