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医療機関名
糖尿病と肥満症のクリニック五反田院
診療科目
内科・糖尿病内科・内分泌内科
オンライン診療時間
9:00〜22:00(年中無休)
所在地
〒1410031 東京都 品川区西五反田7-13-2 金剛マンション201号

痛風の症状

ある日突然、足の指の付け根などに風が吹いただけでも痛むほどの激痛が走る「痛風」。経験したことのない痛みと腫れに、どうすれば良いのか分からず不安になっている方も多いのではないでしょうか。痛風は、血液中の尿酸値が高くなる「高尿酸血症」が原因で起こる病気です。適切な治し方を知らずに放置すると、発作を繰り返すだけでなく、腎臓の機能低下や生活習慣病といった深刻な合併症を引き起こす可能性もあります。

痛風発作の治し方

痛風発作の激痛は耐え難いものです。まずは炎症を悪化させず、痛みを和らげるための応急処置を行いましょう。ただし、これらはあくまで一時的な対処法であり、根本的な治し方ではないことを理解しておくことが重要です。

患部を冷やす

痛風発作が起きている関節は、熱を持って赤く腫れ上がっています。これは、尿酸の結晶によって激しい炎症が起きているサインです。この炎症を鎮めるためには、患部を冷やすことが効果的です。

氷嚢や保冷剤などをタオルで包み、痛みや腫れが気になる部分に優しく当てましょう。直接肌に当てると凍傷のリスクがあるため、必ずタオルなどで包んでください。1回15〜20分程度を目安に、1日数回行うと良いでしょう。血行を促進する温湿布やカイロ、入浴などで患部を温める行為は、炎症を悪化させるため絶対に避けてください。

安静にして患部を心臓より高く保つ

発作中は、できるだけ患部に負担をかけないように安静にすることが鉄則です。痛む足を無理に動かしたり、歩き回ったりすると、炎症が悪化し痛みが長引く原因になります。

座ったり横になったりする際は、クッションや座布団などを使い、痛む方の足を心臓より高い位置に保つようにしましょう。こうすることで、患部への血流が穏やかになり、腫れや痛みの軽減につながります。仕事や家事など、やらなければならないことがあるかもしれませんが、発作が起きている数日間はできる限り安静を心がけてください。

鎮痛薬を服用する

我慢できないほどの強い痛みがある場合は、市販の鎮痛薬を使用することも一つの方法です。ただし、どの薬でも良いわけではありません。

痛風発作には、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどを主成分とする「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」が有効です。これらの薬は炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。

一方で、注意が必要なのがアスピリン系の鎮痛薬です。アスピリンは少量だと尿酸の排泄を妨げ、逆に尿酸値を上げてしまう可能性があるため、痛風発作時の使用は避けるべきとされています。どの薬を使えば良いか分からない場合は、薬剤師に相談するか、速やかに医療機関を受診しましょう。

水分を十分に補給する

体内の尿酸は、主に尿として排出されます。そのため、水分を十分に摂取して尿の量を増やすことは、尿酸の排泄を促す上で非常に重要です。

目標は1日に2リットル以上の水分を摂ることです。飲むものは、糖分やカフェインを含まない水やお茶(麦茶、ほうじ茶など)が最適です。糖分の多いジュースや清涼飲料水は、体内で尿酸値を上げる原因となるため避けましょう。もちろん、アルコールは厳禁です。水分補給は、発作時だけでなく、普段から心がけたい痛風治療の基本です。

痛風の根本的な治し方は医療機関での治療が必須

応急処置で痛みが少し和らいでも、それは根本的な解決にはなっていません。痛風発作は、体内で尿酸が過剰になっているという危険信号です。この根本原因である「高尿酸血症」を治療しなければ、発作は必ず再発します

痛みが治まったからといって放置せず、必ず専門の医療機関を受診し、正しい診断と治療を受けることが、痛風の最適な治し方です。

痛風は何科を受診すべきか?

痛風の症状が出た場合、どの診療科に行けば良いか迷うかもしれません。一般的には、以下の診療科が痛風の診断・治療に対応しています。

診療科 特徴 こんな人におすすめ
内科・総合内科 全身の状態を診てくれる。高血圧や糖尿病などの生活習慣病を合併している場合も相談しやすい。 まずどこに行けば良いか分からない方、かかりつけ医がいる方
リウマチ・膠原病内科 関節の痛みを専門とする科。他の関節炎との鑑別診断に強い。 複数の関節に痛みがある方、診断がはっきりしない方
整形外科 関節や骨の専門家。レントゲン検査などで関節の状態を詳しく調べることができる。 足の痛みで最初に受診する科として選ばれやすい。
泌尿器科 腎臓や尿路結石の専門家。痛風の合併症である尿路結石の管理も可能。 尿路結石を併発している方

初めて受診する場合は、まずはかかりつけの内科、もしくは近くの内科クリニックに相談するのが良いでしょう。そこで専門的な治療が必要と判断されれば、適切な専門医を紹介してもらえます。

痛風の検査と診断の流れ

病院では、症状や生活習慣について詳しく聞き取り、必要な検査を行って痛風かどうかを診断します。

問診・視診

医師がまず行うのが問診と視診です。以下のような内容について詳しく質問されます。

  • いつから、どの部位が、どのように痛むか
  • 過去に同じような症状があったか
  • 食生活や飲酒の習慣
  • 家族に痛風の人がいるか(家族歴)
  • 現在服用中の薬や、他の病気(既往歴)

その後、患部の腫れや赤み、熱感などを直接見て触って確認します。

血液検査(尿酸値の測定)

痛風の診断において最も重要なのが血液検査による尿酸値の測定です。血液中の尿酸の濃度を調べ、高尿酸血症の状態にあるかを確認します。

血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」と診断されます。ただし、痛風発作の最中は尿酸値が一時的に下がることがあるため、一度の検査だけで判断せず、発作が治まってから再検査することもあります。

関節液検査・レントゲン検査

診断を確定させるために、より詳しい検査を行うことがあります。

  • 関節液検査: 痛む関節に注射針を刺して関節液を採取し、顕微鏡で尿酸の結晶(尿酸塩結晶)が確認できれば痛風と確定診断されます。
  • レントゲン(X線)検査: 痛風が長期間続くと、関節の骨が削れてしまう「骨びらん」という特徴的な変化が見られることがあります。これを調べるためにレントゲン撮影が行われます。

これらの検査結果を総合的に判断し、痛風の診断と治療方針が決定されます。

痛風の治し方

痛風治療の柱となるのが薬物療法です。薬は大きく分けて、「痛風発作の炎症を抑える薬」「尿酸値を下げる薬」の2種類があり、病状のステージに合わせて使い分けられます。

痛風発作を抑える薬(抗炎症薬)

発作時の激しい痛みを抑えるために使われる薬です。できるだけ早く服用を開始することが、痛みを長引かせないための鍵となります。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

痛風発作治療の第一選択薬です。炎症を引き起こす物質(プロスタグランジン)の生成を抑えることで、痛みや腫れを強力に鎮めます。インドメタシン、ナプロキセン、ロキソプロフェンなどが代表的な薬です。発作が起きたら、できるだけ早い段階で十分な量を服用し、症状が改善するにつれて徐々に減らしていくのが一般的な使い方です。胃腸障害の副作用が出ることがあるため、医師の指示通りに服用することが大切です。

コルヒチン

コルヒチンは、白血球が尿酸結晶に反応するのを抑えることで、炎症を鎮める薬です。特に、「足がムズムズする」「ピリピリとした違和感がある」といった発作の予兆(前兆)を感じた時に服用すると、本格的な発作への移行を防ぐ高い効果が期待できます。発作が本格化してからの効果はNSAIDsに劣るため、タイミングが重要です。下痢や吐き気などの消化器系の副作用が出やすいため、用量を守って服用する必要があります。

ステロイド

NSAIDsやコルヒチンが副作用などで使えない場合や、効果が不十分な場合に用いられます。非常に強力な抗炎症作用があり、内服薬や関節内への注射で投与されます。効果は高いですが、感染症や血糖値の上昇などの副作用のリスクもあるため、医師が慎重に判断して使用します。

尿酸値を下げる薬(尿酸降下薬)

痛風の根本原因である高尿酸血症を改善し、発作の再発を防ぐための薬です。重要なのは、痛風発作が完全に治まってから(通常は発作後2週間以上経ってから)服用を開始することです。発作中に急に尿酸値を変動させると、関節の尿酸結晶が剥がれ落ち、かえって症状を悪化させてしまう危険性があります。

尿酸降下薬は、作用の仕方によって2つのタイプに分けられます。

尿酸生成抑制薬(フェブキソスタット、アロプリノールなど)

体内で尿酸が過剰に作られるのを抑える薬です。肝臓でプリン体が尿酸に分解される過程を阻害します。尿酸が作られすぎる「産生過剰型」の患者さんや、尿路結石を合併している場合など、多くのケースで第一選択薬となります。

尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、プロベネシドなど)

腎臓から尿への尿酸の排泄を促し、体外に排出する量を増やす薬です。体質的に尿酸をうまく排泄できない「排泄低下型」の患者さんに主に使われます。この薬を服用する際は、尿路結石を防ぐために十分な水分摂取と、後述する「尿のアルカリ化」が特に重要になります。

これらの尿酸降下薬は、一度飲み始めたら自己判断で中断せず、継続的に服用することが極めて重要です。目標の尿酸値(6.0mg/dL以下)を維持することで、体内に蓄積された尿酸結晶が徐々に溶け出し、発作が起きない状態を目指します。

痛風の薬は市販されている?【ロキソニンなど】

「病院に行く時間がないから、とりあえず市販薬で」と考える方もいるかもしれません。前述の通り、ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合した市販薬(ロキソニンSなど)は、痛風発作の痛みを一時的に和らげる効果が期待できます

しかし、これはあくまで応急処置です。市販薬で痛みが治まっても、高尿酸血症は改善されていません。根本的な治し方としては、必ず医療機関を受診し、ご自身の状態に合った適切な処方薬による治療を受ける必要があります。自己判断での市販薬の長期連用は、胃腸障害や腎機能障害などのリスクを高めることにもつながるため、注意が必要です。

痛風の治し方に関するよくある質問

痛風は何日ぐらいで治りますか?

痛風発作の激しい痛みは、通常24時間以内にピークに達し、適切な治療を行えば7〜10日程度で徐々に治まります。ただし、これはあくまで発作の症状が治まる期間です。根本原因である高尿酸血症が治ったわけではないため、治療を中断すると再発します。根本治療には、数ヶ月から数年単位での継続的な服薬と生活習慣の改善が必要です。

痛風は完治しますか?治らない病気ですか?

現在の医療では、高尿酸血症になりやすい体質そのものを変えることはできないため、「完治」という概念はあまり使いません。しかし、薬物療法と生活習慣の改善を継続することで、尿酸値を正常範囲にコントロールし、発作が全く起きない状態を維持することは十分に可能です。その意味で、痛風は「治らない病気」ではなく、「コントロールできる病気」と言えます。

痛風発作が長引く原因は何ですか?

通常1〜2週間で治まるはずの発作が長引く場合、以下のような原因が考えられます。

  • 不適切な応急処置(患部を温める、マッサージするなど)
  • 発作中に飲酒をしてしまった
  • 自己判断で尿酸値を下げる薬を飲んでしまった
  • 痛みを我慢して無理に歩いたり、仕事を続けたりした

これらの行為は炎症を悪化させ、回復を遅らせる原因になります。発作中は安静を第一に、正しい対処を心がけましょう。

痛風は一日で治るという噂は本当ですか?

残念ながら、痛風発作が一日で完全に治ることはありません。非常に軽度の発作であれば、鎮痛薬の効果で痛みが大きく和らぎ、「治った」と感じることはあるかもしれませんが、炎症自体が完全に消えるまでには数日かかります。このような噂に惑わされず、症状が軽快しても油断せずに治療を続けることが大切です。

痛風の時にやってはいけないことは?

痛風発作中や治療中に、良かれと思ってやったことが逆効果になる場合があります。以下の4つの「やってはいけないこと」は必ず覚えておきましょう。

やってはいけないこと①:患部を温める・マッサージする

血行が良くなると、炎症が悪化してしまいます。お風呂で温めたり、痛い部分を揉んだりするのは絶対にやめましょう。入浴はシャワー程度で済ませ、患部にはお湯がかからないように注意してください。

やってはいけないこと②:アルコールを飲む

「痛み止め」と称してアルコールを飲むのは最悪の選択です。アルコールは尿酸値を上げ、炎症を促進し、脱水を引き起こすなど、痛風にとって百害あって一利なしです。発作中は禁酒を徹底しましょう。

やってはいけないこと③:自己判断で尿酸値を下げる薬を始める

過去に処方された尿酸降下薬が手元にあっても、発作中に自己判断で服用を開始してはいけません。血中尿酸値の急激な変動は、関節に付着した尿酸結晶を刺激し、発作を悪化させる危険性が高いです。尿酸降下薬の開始・再開は、必ず医師の指示に従ってください。

やってはいけないこと④:激しい運動をする

痛みがある中での運動は、患部への刺激となり炎症を悪化させます。また、激しい運動は一時的に尿酸値を上昇させるため、発作の引き金になることもあります。発作が完全に治まるまでは、運動は休みましょう。