高血圧とは、血管に常に強い圧力がかかっている状態のことです。自覚症状がほとんどないまま静かに進行し、気づいたときには脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる重大な病気を引き起こす可能性もあります。
高血圧とは
高血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力、すなわち「血圧」が、安静時においても慢性的に正常値よりも高い状態が続くことを指します。
血管は常に張り詰めた状態に置かれ、次第に硬く、もろくなっていきます。これが動脈硬化であり、高血圧がさまざまな病気を引き起こす根本的な原因となります。
そもそも血圧とは?心臓と血管の圧力
血圧は、心臓というポンプが血液を全身に送り出す際に生じる圧力のことです。心臓は休むことなく収縮と拡張を繰り返し、このポンプ作用によって血液が全身の血管を巡り、酸素や栄養を細胞に届けています。
血圧は、以下の2つの要素によって決まります。
- 心拍出量(心臓から送り出される血液の量): ポンプが送り出す水の量が多いほど、ホースにかかる圧力は強くなります。
- 末梢血管抵抗(血管のしなやかさや太さ): ホースが細く硬いほど、水の通りが悪くなり、圧力は高まります。
高血圧の人は、血液の量が多くなっていたり、血管が硬く細くなっていたりすることで、血管の壁に過剰な圧力がかかり続けているのです。
上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)
血圧の測定値には「上」と「下」の2つの数値があります。これらはそれぞれ心臓の動きに対応しています。
- 上の血圧(収縮期血圧): 心臓が「ギュッ」と収縮して、血液を全身に送り出したときの、最も高い圧力です。
- 下の血圧(拡張期血圧): 心臓が「フワッ」と拡張して、血液を心臓に取り込んでいるときの、最も低い圧力です。
高血圧の診断では、この両方の数値をみて総合的に判断されます。どちらか一方でも基準値を超えていれば、高血圧と診断される可能性があります。
高血圧の診断基準|正常値はいくつ?
高血圧の基準値は、測定する場所によって異なります。病院やクリニックなどの診察室で測定する「診察室血圧」と、自宅でリラックスした状態で測定する「家庭血圧」では、基準値が異なります。一般的に、家庭血圧の方が診察室血圧よりも低い値を示す傾向があるため、より厳しい基準が設けられています。
診察室血圧と家庭血圧の基準値
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」では、以下のように分類されています。
| 分類 | 診察室血圧 (mmHg) | 家庭血圧 (mmHg) |
|---|---|---|
| 正常血圧 | 120未満 かつ 80未満 | 115未満 かつ 75未満 |
| 正常高値血圧 | 120-129 かつ 80未満 | 115-124 かつ 75未満 |
| 高値血圧 | 130-139 かつ/または 80-89 | 125-134 かつ/または 75-84 |
| Ⅰ度高血圧 | 140-159 かつ/または 90-99 | 135-144 かつ/または 85-89 |
| Ⅱ度高血圧 | 160-179 かつ/または 100-109 | 145-159 かつ/または 90-99 |
| Ⅲ度高血圧 | 180以上 かつ/または 110以上 | 160以上 かつ/または 100以上 |
診察室血圧で140/90mmHg以上、または家庭血圧で135/85mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。
年齢別の血圧の目安
血圧は年齢とともに上昇する傾向があります。これは加齢によって血管の弾力性が失われ、硬くなるためです。しかし、高血圧の診断基準は年齢にかかわらず一定です。
高齢者であっても、血圧が高ければ治療の対象となります。
ただし、降圧目標(治療によって目指す血圧のレベル)は、年齢や合併症の有無などによって個別に設定されます。例えば、75歳以上の後期高齢者の場合は、過度な降圧によるふらつきや転倒のリスクを考慮し、少し高めの目標値が設定されることがあります。
「高血圧」と「高血圧症」の違いとは?
「高血圧」と「高血圧症」は似ていますが、厳密には意味が異なります。
- 高血圧(高血圧状態): 一時的に血圧が基準値を超えている状態を指します。例えば、緊張したり、運動したりした直後は誰でも血圧が上がります。
- 高血圧症: 測定するたびに、常に血圧が基準値を超えている慢性的な状態を指し、治療が必要な「病気」として扱われます。
健康診断で一度「高血圧」を指摘されただけでは、すぐに「高血圧症」と診断されるわけではありません。しかし、それは重要な警告サインです。日頃から家庭で血圧を測定し、自分の血圧の状態を把握することが大切です。
高血圧の症状
高血圧の症状としては、重症化するまでほとんど自覚症状が現れない点にあります。
初期症状はほとんどないのが特徴
血圧が多少高くても、体はすぐに悲鳴を上げません。血管は健気にその圧力に耐えようとしますが、その間にもダメージは着実に蓄積されていきます。症状がないからといって「自分は大丈夫」と思い込み、健康診断の結果を無視してしまうことが、最も危険な行為なのです。
血圧が高い時に出やすい症状チェックリスト
高血圧が進行すると、以下のような症状が現れることがあります。しかし、これらの症状は高血圧に特有のものではなく、他の病気や単なる体調不良でも起こり得るため、見過ごされがちです。
頭痛・頭が重い
後頭部を中心にズキンズキンとした痛みや、頭全体が重く感じる症状です。急激な血圧の上昇によって、脳の血管が拡張することで起こると考えられています。
めまい・立ちくらみ
フワフワするような浮動性のめまいや、急に立ち上がったときにクラっとする立ちくらみを感じることがあります。血圧の変動によって、脳への血流が不安定になることが原因の一つです。
肩こり・首の張り
首筋から肩にかけての筋肉がこわばり、常に張っているような感覚です。高血圧による血行不良が原因で起こることがあります。
動悸・息切れ
少し動いただけでも心臓がドキドキしたり、息が切れたりします。高い圧力に逆らって血液を送り出すため、心臓に負担がかかっているサインかもしれません。
耳鳴り
「キーン」「ジー」といった音が聞こえる症状です。血圧の上昇によって、内耳の血流が悪くなることが原因と考えられています。
むくみ
特に足や顔がむくみやすくなります。高血圧によって腎臓の機能が低下し、体内の水分や塩分の排出がうまくいかなくなることで起こります。
危険な高血圧のサイン
以下のような症状は、高血圧が原因で脳卒中や心筋梗塞などの重大な合併症が起きている可能性を示す危険なサインです。一つでも当てはまる場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、直ちに医療機関を受診してください。
突然の激しい頭痛・吐き気
これまで経験したことのないような、ハンマーで殴られたような激しい頭痛は、くも膜下出血の可能性があります。
ろれつが回らない・手足のしびれ
言葉がもつれる、片方の手足に力が入らない、顔の半分が歪むといった症状は、脳梗塞や脳出血のサインです。
経験したことのない胸や背中の痛み
胸を締め付けられるような激しい痛みや、背中が引き裂かれるような痛みは、心筋梗塞や大動脈解離の可能性があります。
意識が朦朧とする
呼びかけに反応が鈍い、意識が遠のくような感覚がある場合も、非常に危険な状態です。
血圧が190や200を超えるとどうなる?は
収縮期血圧が180mmHg以上、または拡張期血圧が120mmHg以上のような極めて高い血圧状態は「高血圧緊急症」と呼ばれます。
この状態では、脳、心臓、腎臓などの重要な臓器に急速なダメージが進行している可能性が非常に高く、命に関わる極めて危険な状態です。上記の危険な症状を伴っている場合は、一刻も早い治療が必要です。たとえ症状がなくても、これほど高い血圧が測定された場合は、速やかに医療機関に連絡し、指示を仰ぎましょう。
高血圧の2つの主な原因
- 本態性高血圧
- 二次性高血圧
高血圧は、その原因によって大きく2つのタイプに分けられます。
本態性高血圧
日本人の高血圧患者の約90%以上がこの「本態性高血圧」です。これは、特定の病気が原因ではなく、遺伝的な要因と、以下のような複数の生活習慣要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
遺伝的要因
両親が高血圧の場合、その子どもも高血圧になりやすい傾向があることが知られています。これは、血圧をコントロールする体質が遺伝するためと考えられています。家族に高血圧の人がいる場合は、若いうちから血圧を意識した生活を送ることが重要です。
生活習慣の乱れ
塩分の過剰摂取
塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、体は塩分濃度を薄めようとして水分を溜め込みます。その結果、体内を循環する血液量が増加し、血圧が上昇します。日本人の食生活は塩分が多くなりがちで、高血圧の最大の原因とされています。
肥満
肥満、特に内臓脂肪が増えると、血圧を上げる作用のあるホルモンが分泌されやすくなります。また、増えた体重を支えるために心臓はより多くの血液を送り出す必要があり、これも血圧上昇につながります。
運動不足
運動不足は、肥満を招くだけでなく、血管の柔軟性を低下させ、血行を悪化させます。定期的な運動は、血圧を下げる効果があることがわかっています。
ストレス
精神的なストレスを感じると、交感神経が活発になり、血管を収縮させるホルモンが分泌されます。これにより、一時的に血圧が上昇します。ストレスが慢性化すると、高血圧が定着してしまうことがあります。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは、交感神経を刺激して血管を収縮させ、血圧を上昇させます。また、喫煙は血管の内壁を傷つけ、動脈硬化を強力に促進します。
過度な飲酒
適量のアルコールは血圧を一時的に下げることがありますが、長期間にわたって飲み続けると、血圧を上昇させることがわかっています。
二次性高血圧
高血圧患者の約10%未満は、他の病気が原因で血圧が上昇する「二次性高血圧」です。このタイプは、原因となる病気を治療することで、血圧が正常に戻る可能性があります。若い年齢で発症した場合や、降圧薬が効きにくい場合に疑われます。
腎臓の病気
腎臓は、体内の塩分と水分のバランスを調節して血圧をコントロールする重要な臓器です。慢性腎臓病(CKD)や腎動脈狭窄症など、腎臓の機能が低下すると、塩分や水分がうまく排出できなくなり、血圧が上がります。
内分泌系の病気
ホルモンの異常によって血圧が上昇することがあります。代表的な病気には、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫などがあります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。無呼吸状態になると、体は酸欠状態になり、心臓や血管に大きな負担がかかり、交感神経が興奮して血圧が上昇します。
薬剤性の高血圧
特定の薬の副作用として血圧が上がることがあります。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド薬、一部の漢方薬(甘草を含むもの)などが知られています。
血圧が急に上がる原因とは?
慢性的な高血圧症とは別に、日常生活の中でも血圧は常に変動しており、一時的に急上昇することがあります。
精神的なストレスや興奮
仕事でのプレッシャー、人前でのスピーチ、夫婦喧嘩など、強いストレスや興奮を感じると、交感神経が活発になり、血圧は急上昇します。
急な温度変化(ヒートショック)
冬場に暖かいリビングから寒いトイレや脱衣所に移動したときなど、急激な温度差にさらされると、血管がキュッと収縮し、血圧が急上昇します。これを「ヒートショック」と呼び、特に高齢者では脳卒中や心筋梗塞の引き金になることがあり危険です。
痛みや身体的ストレス
怪我や手術による痛み、あるいは排便時のいきみなども、身体的なストレスとなり血圧を上げる原因になります。
薬の影響
血管収縮作用のある点鼻薬の使用や、前述したような薬剤性の高血圧を引き起こす薬の服用も、血圧を急に上げる原因となり得ます。
高血圧を放置する危険性
症状がないからと高血圧を放置すると、全身の血管が静かに傷つけられ、やがて命を脅かす重大な合併症を引き起こします。
動脈硬化が静かに進行する
高血圧がもたらす最大の害は、動脈硬化を促進することです。常に高い圧力にさらされた血管の内壁は傷つき、そこにコレステロールなどが溜まることで、血管は弾力性を失って硬くなり、内側が狭くなっていきます。動脈硬化は、これから紹介するすべての合併症の根本的な原因となります。
脳の合併症:脳卒中(脳梗塞・脳出血)
脳の血管で動脈硬化が進行すると、脳卒中を引き起こすリスクが非常に高まります。
- 脳梗塞: 脳の血管が詰まり、その先の脳細胞が死んでしまう病気。
- 脳出血: 脳の細い血管が破れて出血する病気。
脳卒中は、突然の意識障害や麻痺、言語障害などを引き起こし、一命を取り留めても重い後遺症が残ることが少なくありません。
心臓の合併症:心筋梗塞・狭心症・心不全
心臓に栄養を送る冠動脈で動脈硬化が進むと、心臓の病気を引き起こします。
- 狭心症: 冠動脈が狭くなり、心臓への血流が一時的に不足して胸の痛みなどを起こす病気。
- 心筋梗塞: 冠動脈が完全に詰まり、心臓の筋肉が壊死してしまう病気。突然死の原因にもなります。
- 心不全: 高い圧力に抗って血液を送り出し続けた結果、心臓のポンプ機能が低下してしまう状態。
腎臓の合併症:腎硬化症・腎不全
腎臓の細い血管で動脈硬化が進むと、腎臓の機能が徐々に低下していきます(腎硬化症)。進行すると腎不全に至り、体内の老廃物を排出できなくなるため、最終的には人工透析が必要になります。
その他の合併症:大動脈瘤・眼底出血
- 大動脈瘤・大動脈解離: 体の中で最も太い血管である大動脈の壁が弱くなり、こぶのように膨らんだり(大動脈瘤)、裂けたり(大動脈解離)します。破裂すると大量出血により命に関わります。
- 眼底出血: 目の網膜の血管がダメージを受けて出血し、視力低下や失明の原因となることがあります。
高血圧の改善・治療法
高血圧の治療目標は、単に血圧の数値を下げることだけではありません。最終的なゴールは、将来起こりうる脳卒中や心筋梗塞などの合併症を防ぎ、健康な生活を長く続けることにあります。治療は「生活習慣の改善」と「薬物療法」の2つが大きな柱となります。
治療の基本は生活習慣の改善
薬物療法を開始する、しないにかかわらず、生活習慣の改善はすべての高血圧治療の基本であり、最も重要な要素です。
食事療法:減塩が最も重要
1日の塩分摂取量の目標
高血圧治療において、最も効果的で重要なのが減塩です。日本高血圧学会は、1日の塩分摂取量の目標を6g未満と推奨しています。これは、日本人の平均摂取量(約10g)より大幅に少ない量であり、意識的な取り組みが必要です。
| 減塩のコツ | 具体的な方法 |
|---|---|
| 汁物は控える | ラーメンやうどんのスープは飲まない。味噌汁は具沢山にして1日1杯まで。 |
| 調味料の使い方を工夫 | 醤油やソースは「かける」より「つける」。減塩タイプの調味料を利用する。 |
| 香辛料や酸味を活用 | 胡椒、唐辛子、カレー粉、ハーブ、レモン汁、酢などで味にアクセントをつける。 |
| 加工食品を避ける | ハム、ソーセージ、練り物、漬物、インスタント食品などは塩分が多い。 |
| 栄養成分表示を確認 | 食品を購入する際は「食塩相当量」をチェックする習慣をつける。 |
カリウムを多く含む食品を摂取する
カリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)を尿と一緒に排出してくれる働きがあります。野菜、果物、海藻類、いも類などに多く含まれています。ただし、腎臓の機能が低下している方はカリウムの摂取制限が必要な場合があるため、医師に相談してください。
バランスの取れた食事(DASH食)
DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)は、高血圧の予防・改善のために考案された食事法で、降圧効果が科学的に証明されています。
- 増やす食品: 野菜、果物、低脂肪の乳製品、魚、鶏肉、ナッツ類
- 減らす食品: 脂肪の多い肉、飽和脂肪酸、コレステロール、甘いもの
運動療法:有酸素運動を習慣に
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動には、継続することで血圧を下げる効果があります。
推奨される運動の種類と時間
- 頻度: できれば毎日、定期的に行う。
- 時間: 1回30分以上、合計で週に180分以上を目指す。
- 強度: 「ややきつい」と感じる程度が目安。会話が楽しめるくらいのペース。
運動を始める前の注意点
すでに合併症がある方や、血圧が非常に高い方は、運動によってかえって危険な状態になることもあります。運動を始める前には、必ず主治医に相談し、適切な運動の種類や強度について指導を受けてください。
減量・適正体重の維持
肥満の方は、体重を減らすだけで血圧が下がることが期待できます。まずは現在の体重の3%を減らすことを目標にしましょう。BMI(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)を25未満に保つことが理想です。
節酒・禁煙
- 節酒: アルコールの摂取は、男性なら1日あたり日本酒1合、ビール中瓶1本、女性はその半分程度までとしましょう。
- 禁煙: 喫煙は血圧を上げるだけでなく、動脈硬化を強力に促進します。禁煙は高血圧治療において必須です。
薬物療法(降圧薬による治療)
生活習慣の改善を続けても血圧が目標値まで下がらない場合や、血圧が非常に高く合併症のリスクが高い場合には、降圧薬による薬物療法が行われます。
降圧薬の種類
降圧薬にはさまざまな種類があり、それぞれ作用の仕方が異なります。
- カルシウム拮抗薬: 血管を広げて血圧を下げる。
- ARB / ACE阻害薬: 血管を収縮させる物質の働きを抑えて血圧を下げる。
- 利尿薬: 体内の余分な塩分と水分を尿として排出し、血液量を減らして血圧を下げる。
- β遮断薬: 心臓の働きを少し休ませて、送り出す血液の量を減らして血圧を下げる。
どの薬を選択するかは、患者さんの年齢、合併症の有無、他の病気などを考慮して、医師が総合的に判断します。
薬を飲み始めるタイミング
生活習慣の改善を1〜3ヶ月行っても目標血圧に達しない場合に、薬物療法の開始が検討されます。ただし、診察室血圧が180/110mmHg以上など、非常に高い場合は、直ちに薬物療法が開始されることもあります。
薬物治療の注意点
- 自己判断で中断しない: 降圧薬は、高血圧を「治す」薬ではなく、「コントロールする」薬です。血圧が下がったからといって自己判断で薬をやめると、血圧が再び上昇し、危険な状態になることがあります。
- 飲み忘れに注意: 薬は医師の指示通りに毎日決まった時間に服用することが大切です。
- 副作用が出たら相談: めまい、ふらつき、咳など、気になる症状が現れた場合は、主治医に相談してください。
高血圧に関するよくある質問
高血圧で入院するレベルはどれくらいですか?
圧の数値だけで入院が決まるわけではありません。収縮期血圧が180mmHgを超えるような高い数値でも、臓器障害の兆候(激しい頭痛、胸痛、意識障害など)がなければ、外来での治療が可能です。しかし、これらの危険な症状を伴う「高血圧緊急症」の場合は、臓器へのダメージを防ぐため、緊急入院して速やかな降圧治療が必要になります。
水をたくさん飲むと血圧は下がりますか?
A. 脱水状態で血液がドロドロになり、一時的に血圧が上がっている場合には、水分補給で改善することがあります。しかし、慢性的な高血圧症の人が水をたくさん飲んでも、根本的な治療にはなりません。腎臓の機能が正常であれば余分な水分は尿として排出されますが、塩分を一緒に摂りすぎていると、かえって体内に水分が溜まり、血圧を上げてしまう可能性もあります。
血圧が高い人はどんな症状が出ますか?
A. ほとんどの場合、自覚症状はありません。進行すると、頭痛、めまい、肩こり、動悸、むくみなどの症状が出ることがありますが、これらは高血圧に特有のものではありません。症状がないからと安心せず、定期的に血圧を測定することが重要です。
血圧はどのような時に上がりますか?
血圧は一日の中でも常に変動しています。朝の起床後、ストレスや緊張を感じた時、運動中、入浴中、排便時などに上昇します。また、寒い場所に行くと血管が収縮するため血圧は上がります。一時的な上昇は生理的な反応ですが、安静時の血圧が高い状態が続くのが高血圧症です。
家庭での正しい血圧の測り方は?
家庭血圧は、高血圧の診断や治療効果の判定に非常に重要です。以下のポイントを守って正しく測定しましょう。
| 項目 | 正しい測定方法 |
|---|---|
| タイミング | 朝(起床後1時間以内の排尿後、朝食・服薬前)と夜(就寝前)の2回測定。 |
| 環境 | 静かで、室温が適温(寒すぎない)の部屋で測定。 |
| 姿勢 | 椅子に座り、1〜2分安静にしてから測定。血圧計のカフ(腕帯)は心臓の高さに合わせる。 |
| 測定 | 測定中は会話をしない。原則2回測定し、その平均値を記録する。 |
| 記録 | 測定した血圧値と脈拍数を毎日記録する(血圧手帳など)。 |
