毎年やってくるつらい花粉の季節。「今年の花粉症はいつから始まるんだろう?」「対策はいつから始めればいいの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
花粉の飛散時期一覧
花粉症は春だけのもの、と思っていませんか?実は、日本には年間を通して約60種類もの花粉症の原因植物が存在し、季節ごとに異なる花粉が飛散しています。
ここでは、代表的な花粉の種類とその飛散時期を見ていきましょう。
スギ花粉(2月~4月)
言わずと知れた日本の花粉症の最大の原因。
戦後の植林政策により全国に広く分布しており、飛散期間が長く、飛散量も多いのが特徴です。
風に乗って数十km〜数百kmも遠くまで飛散することもあります。
ヒノキ花粉(3月~5月)
スギに次いで花粉症患者が多いのがヒノキです。
スギ花粉の飛散ピークと重なる時期から本格化し、ゴールデンウィーク頃まで飛散が続きます。
スギとヒノキの花粉はアレルゲンが似ているため、スギ花粉症の人の約7割がヒノキ花粉症も併発するといわれています。
イネ科花粉(5月~9月)
春の花粉シーズンが終わった初夏から秋にかけて症状が出る場合は、イネ科の花粉症かもしれません。
カモガヤ、オオアワガエリなどが代表的で、公園や河川敷、道端など身近な場所に生えています。
飛散距離は数十メートルと短いため、原因植物に近づかないことが重要です。
ブタクサ・ヨモギ花粉(8月~10月)
秋の花粉症の代表格が、キク科のブタクサやヨモギです。
イネ科同様、河川敷や空き地などに生息しています。
喘息のような咳の症状が出やすいのが特徴で、秋の長雨の後に晴れて気温が上がると、一気に飛散量が増えることがあります。
シラカバ(シラカンバ)花粉(4月~6月)
北海道や東北、甲信越などの冷涼な地域に多く分布するカバノキ科の植物です。
スギ・ヒノキ花粉が終わる頃からシーズンが始まります。
シラカバ花粉症の大きな特徴は、特定の果物や野菜を食べると口の中がかゆくなる「口腔アレルギー症候群(OAS)」を合併しやすいことです。
リンゴ、モモ、サクランボ、大豆(豆乳)などで症状が出ることがあります。
花粉症の症状はいつから現れる?初期症状とピーク時期
「飛散開始日」という言葉を聞くと、その日から急に症状が出るように思えますが、実際は少し異なります。
ここでは、症状が現れるタイミングやピークについて詳しく解説します。
飛散開始日の前から症状が出る「初期症状」とは
本格的な飛散が始まる1〜2週間前から、ごくわずかな量の花粉が飛び始めます。
この微量な花粉に反応して、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった軽い症状が現れることがあり、これを「初期症状」と呼びます。
「あれ、風邪かな?」と思うような症状ですが、これが花粉シーズンの始まりのサインです。
この段階で対策を始めることで、シーズン中の症状を軽く抑えることができます。
特に、毎年ひどい症状に悩まされている方は、この初期症状を見逃さないことが非常に重要です。
花粉症が一番ひどい時期はいつ?
花粉症の症状が最もつらくなるのは、花粉の飛散量が最大になる「ピーク時期」です。
- スギ花粉のピーク: 飛散開始から約2週間後~1ヶ月間程度
- ヒノキ花粉のピーク: 飛散開始から約2週間後~3週間程度
例えば、関東地方では2月上旬にスギ花粉が飛び始めると、2月下旬から3月下旬にかけてが最もつらい時期となります。
その後、4月上旬から中旬にかけてはヒノキ花粉のピークが訪れます。
このピーク時期は、雨の日の翌日で晴れて風が強い日や、気温が高い日に特に飛散量が多くなるため、天気予報と合わせて花粉情報を毎日チェックする習慣をつけましょう。
主な花粉症の症状(くしゃみ、鼻水、目のかゆみ等)
花粉症は、体内に侵入した花粉を異物とみなした免疫システムが過剰に反応することで起こるアレルギー疾患です。
主に以下のような症状が現れます。
- 鼻の三大症状:
- くしゃみ: 発作のように連続して出る。
- 鼻水: サラサラとした水のような鼻水が止まらない。
- 鼻づまり: 両方の鼻が詰まり、口呼吸になりやすい。
- 目の四大症状:
- 目のかゆみ: 我慢できないほどの強いかゆみ。
- 目の充血: 白目が赤くなる。
- 涙: 涙が止まらなくなる。
- 目の異物感: 目がゴロゴロする感じ。
- その他の症状:
- 皮膚のかゆみ、肌荒れ(花粉皮膚炎)
- 喉のイガイガ、痛み、咳
- 頭痛、頭が重い感じ(頭重感)
- だるさ、倦怠感、集中力の低下
これらの症状が複数現れることで、日常生活や仕事、勉強に大きな支障をきたすことがあります。
花粉症対策はいつから始めるべき?効果的なタイミング
花粉症のつらい症状を抑えるためには、対策を「いつから」始めるかが最も重要です。
症状がひどくなってから慌てて対策を始めるのでは、十分な効果が得られません。
薬の服用は飛散開始の2週間前から
花粉症治療で最も効果的とされているのが「初期療法」です。
これは、症状が出る前、具体的には花粉の飛散が開始すると予測される日の約2週間前から、抗ヒスタミン薬などのアレルギー治療薬の服用を開始する方法です。
なぜ症状が出る前から薬を飲むのでしょうか?
それは、花粉症の症状を引き起こすヒスタミンなどの化学伝達物質が、体内で大量に放出されるのを事前にブロックするためです。
症状が出始めてから薬を飲んでも、すでに放出されてしまった物質を抑えるのは大変ですが、あらかじめ薬で備えておくことで、アレルギー反応の連鎖を初期段階で断ち切ることができます。
これにより、
- シーズン中の症状が軽くなる
- 症状のピークを遅らせる、またはピークを低くする
- 薬の使用量を減らせる可能性がある
といった大きなメリットが期待できます。
毎年花粉症に悩んでいる方は、1月中旬〜下旬には一度耳鼻咽喉科やアレルギー科を受診し、医師に相談することをおすすめします。
日常でできるセルフケア対策
薬物療法と並行して、日常生活でのセルフケアを徹底することも非常に重要です。
こちらも、シーズンが始まる前から習慣づけておきましょう。
| 対策の種類 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 花粉を浴びない(回避) | ・外出時はマスク、メガネ、帽子を着用する。 ・花粉が付着しにくいツルツルした素材の上着を選ぶ。 ・飛散の多い日の不要不急の外出は避ける。 |
| 花粉を持ち込まない(除去) | ・帰宅時に玄関前で衣服や髪についた花粉を払い落とす。 ・帰宅後すぐにうがい、手洗い、洗顔をする。 ・窓開け換気は最小限にし、レースのカーテンを閉めて行う。 ・洗濯物や布団は外に干さず、室内干しや乾燥機を利用する。 |
| 室内環境の整備 | ・空気清浄機を24時間稼働させる。 ・こまめに掃除機をかけ、濡れた雑巾で拭き掃除をする。 |
| 生活習慣の見直し | ・十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにする。 ・バランスの取れた食事を心がける(乳酸菌、青魚などが良いとされる)。 ・アルコールの摂取や喫煙は症状を悪化させるため控える。 |
これらの対策を一つでも多く実践することで、体内に入る花粉の量を減らし、症状の悪化を防ぐことができます。
花粉症の「いつから」に関するよくある質問
ここでは、花粉症の「いつから」という疑問に関連する、よくある質問にお答えします。
スギ花粉はいつまで飛散する?
スギ花粉の飛散は、ピークを過ぎると徐々に減少していきますが、すぐにはゼロにはなりません。
多くの地域で、4月下旬頃まで飛散が続くと考えておきましょう。
特に山間部などでは、5月のゴールデンウィーク頃まで飛散が観測されることもあります。
スギ花粉のシーズンが終わる頃にはヒノキ花粉がピークを迎えるため、両方のアレルギーを持つ方は、5月中旬頃まで対策が必要です。
昔は花粉症がなかったというのは本当?
「昔は花粉症なんてなかった」という話をよく聞きますが、これは半分本当で半分は異なります。
アレルギー疾患自体は昔から存在しましたが、現在のように多くの人がスギ花粉症に悩むようになったのは、戦後の林業政策が大きく関係しています。
復興のために大量のスギが植林され、それらが成長して花粉を大量に飛散させるようになったのが1960年代以降です。
それに加え、食生活の欧米化、大気汚染、ストレスの増大といった生活環境の変化や、舗装された道路が増えて土が減ったこと(花粉が地面に吸収されず舞い上がりやすくなった)など、複合的な要因が絡み合って、花粉症患者が急増したと考えられています。
今日の花粉がひどい原因は何ですか?
「昨日まで平気だったのに、今日は急に症状がひどい」と感じる日があります。
その原因は、その日の気象条件にあります。
以下のような日は、特に花粉が飛散しやすくなります。
- 晴れていて、気温が高い日: 雄花が開きやすくなり、花粉が大量に放出されます。
- 空気が乾燥していて、風が強い日: 花粉が遠くまで運ばれ、舞い上がりやすくなります。
- 雨の降った翌日: 雨で地面に落ちた花粉が、晴れて乾燥することで一気に舞い上がります。
- 前日の夜に雨が降った日: 夜間の雨で大気中の花粉が洗い流され、翌朝から新たに飛散する花粉に強く反応してしまうことがあります。
天気予報と合わせて花粉飛散情報をチェックし、特に飛散量が多いと予測される日は、より一層厳重な対策を心がけましょう。
花粉症シーズンは飛散開始前の対策が重要
- 飛散量は例年並みか、やや多い地域が多い見込み
- 対策の開始は、飛散予測日の2週間前からがベスト
- 薬の服用(初期療法)とセルフケアの徹底が重要
花粉症は、症状が一度ひどくなってしまうと、薬を使ってもなかなか抑えるのが難しくなります。
いかに症状が出る前の「予防」を徹底できるかが、シーズンを快適に過ごすための分かれ道です。
まずはご自身の地域の花粉飛散開始日を確認し、カレンダーに印をつけておきましょう。
そして、その2週間前にはクリニックを受診したり、マスクや空気清浄機の準備を始めたりと、計画的に行動を開始することが大切です。
正しい知識と早めの対策で、つらい花粉の季節を賢く乗り切りましょう。
