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医療機関名
●●クリニック
診療科目
内科・糖尿病内科・内分泌内科
オンライン診療時間
9:00〜22:00(年中無休)
医療機関届出番号
第●●●●号
所在地
東京都●●区●●1-2-3 ●●ビル●F

HbA1c検査はなぜ必要?血糖コントロールの現状と合併症予防の重要性

健康診断の結果表に並ぶ、たくさんの検査項目。その中で「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」という文字を見て、これが一体何を意味するのか、なぜ重要なのか疑問に思ったことはありませんか?

HbA1cは、単なる検査数値の一つではありません。

これは、過去1〜2ヶ月のあなたの生活習慣を映し出す「健康の成績表」といえます。糖尿病をはじめとする生活習慣病のリスクをいち早く察知し、未来の深刻な病気を防ぐために重要な指標です。

この記事では、HbA1cがなぜ必要なのか、その仕組みから基準値、そして数値を改善する方法まで、専門的な内容を分かりやすく徹底的に解説します。

目次

HbA1cとは?過去の血糖状態がわかる「健康の成績表」

HbA1cは、健康診断や糖尿病の診療で必ずと言っていいほど測定される項目です。一言でいうと、「過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖コントロール状態を示す指標」です。

その日に食べたものや直前の運動によって数値が大きく変動する「血糖値」とは異なり、HbA1cは長期的な視点で体の状態を評価できるため、まるで学期末にもらう「成績表」のような役割を果たします。

この成績表を正しく読み解くことが、健康管理の第一歩となります。

ヘモグロビンとブドウ糖が結合してできるHbA1cの仕組み

HbA1cの仕組みは、血液の中で何が起きているかを知ると理解しやすくなります。まずは、関係する重要な要素から見ていきましょう。

  • ヘモグロビン:
    赤血球の中に存在し、全身に酸素を運ぶ役割を持つタンパク質
  • ブドウ糖(グルコース):
    食事から摂取する糖質が分解されてできる。体を動かすための主要なエネルギー源

    高血糖の状態が続くと、余分なブドウ糖が赤血球のヘモグロビンに“のりのように”くっついてしまいます。

    このブドウ糖が結合したヘモグロビンのことを「グリコヘモグロビン」と呼び、その中でも特に安定して測定できるのがHbA1cです。

    血糖値が高いほど、多くのブドウ糖がヘモグロビンに結合するため、血液中に占めるHbA1cの割合(%)も高くなります。

    つまり、HbA1cの数値は、血液中のブドウ糖の多さを間接的に示しているのです。

    HbA1cが過去1〜2ヶ月の平均血糖値を反映する理由

    では、なぜHbA1cは「過去1〜2ヶ月」という長期的な平均値を反映できるのでしょうか。その秘密は、ヘモグロビンを乗せている「赤血球」の寿命にあります。

    赤血球の寿命は、およそ120日(約4ヶ月)です。一度ブドウ糖が結合したヘモグロビンは、その赤血球が寿命を終えるまで離れることはありません。血液中には、今日生まれた新しい赤血球から、もうすぐ寿命を迎える古い赤血球まで、さまざまな年齢の赤血球が混在しています。

    HbA1cの検査では、これら全ての赤血球に含まれるヘモグロビンのうち、どれくらいの割合がブドウ糖と結合しているかを測定します。

    そのため、検査結果は、特に寿命の半分にあたる過去1〜2ヶ月間の血糖状態を最も強く反映した平均値となるのです。検査直前に食事を抜いたり、甘いものを我慢したりといった「一夜漬けの対策」ではごまかすことができない、非常に信頼性の高い指標と言えます。

    HbA1cの測定が必要不可欠な4つの理由

    HbA1cは、なぜこれほどまでに重要視されるのでしょうか。それには、健康を守る上で欠かせない4つの明確な理由があります。

    理由①:糖尿病かどうか・重症化リスクを判断する指標だから

    HbA1cは、糖尿病の正式な診断基準の一つとして採用されています。糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどなく、静かに進行していく怖い病気です。

    健康診断などでHbA1cを測定することで、症状が出る前の段階で糖尿病そのものや、その一歩手前の「予備群(境界型)」の状態を発見できます。

    早期にリスクを把握し、生活習慣の改善に取り組むことで、本格的な糖尿病への進行を防いだり、進行を遅らせたりすることが可能になります。

    HbA1cは、サイレントキラーとも呼ばれる糖尿病から身を守るための、重要な警報装置なのです。

    理由②:直前の食事に影響されず、血糖状態を正しく把握できるから

    健康診断で測定する「空腹時血糖値」は、検査前の10時間以上食事をとらない状態で測定します。しかし、この数値は検査直前の食事内容や体調、ストレスなどによって変動しやすいという側面があります。

    一方で、前述の通りHbA1cは過去1〜2ヶ月の平均値を反映するため、検査当日の食事や運動などの影響をほとんど受けません。これにより、付け焼き刃の対策では隠すことのできない、普段のありのままの血糖コントロール状態を正確に評価することができます。

    この安定性と信頼性の高さが、HbA1cが広く用いられる大きな理由です。

    理由③:深刻な合併症の発症リスクを予測する指標となるから

    HbA1cの数値は、単に現在の血糖状態を示すだけでなく、将来起こりうる深刻な合併症のリスクを予測する重要な指標でもあります。

    長期間にわたってHbA1cが高い状態が続くと、全身の血管が糖によってダメージを受け、様々な合併症を引き起こします。

    特に、糖尿病の三大合併症と呼ばれる「網膜症(失明の原因)」「腎症(人工透析の原因)」「神経障害(足の壊疽など)」のリスクは、HbA1cの数値と強く関わっていることが多くの研究で明らかになっています。

    HbA1cを適切な範囲にコントロールすることが、これらの恐ろしい合併症を防ぐための鍵となります。

    理由④:治療の方向性や効果を客観的に判断できるから

    すでに糖尿病と診断されている方にとって、HbA1cは治療の方向性を判断する目安になります。

    医師はHbA1cの数値を基に、「食事療法や運動療法を強化すべきか」「薬物療法を開始・変更すべきか」といった治療方針を決定します。

    また、治療を始めた後も定期的にHbA1cを測ることで、その治療がうまく効いているかを客観的に確認できます。

    数値が改善していれば現在の治療を継続し、そうでなければ別のアプローチを検討する、というように、HbA1cは効果的で最適な治療を継続していくために不可欠なデータなのです。

    HbA1cと血糖値はどちらが重要か?目的と役割の違いを解説

    「HbA1cと血糖値、結局どっちの数値を見ればいいの?」という疑問を持つ方は少なくありません。

    結論から言うと、どちらか一方が重要というわけではなく、両方の数値をみて総合的に判断することが大切です。それぞれが持つ役割と目的を理解しましょう。

    HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー) 血糖値
    役割の比喩 学期全体の「平均点」 授業ごとの「小テストの点数」
    測定対象 ブドウ糖が結合したヘモグロビンの割合 血液中のブドウ糖の濃度
    反映する期間 過去1〜2ヶ月の平均 測定したその瞬間
    変動要因 長期的な生活習慣(食事・運動) 直前の食事、運動、ストレス、時間帯など
    主な目的 ・長期的な血糖コントロール状態の評価
    ・糖尿病の診断
    ・合併症リスクの予測
    ・日々の血糖変動の把握
    ・食後高血糖(血糖値スパイク)の発見
    ・低血糖の確認

    HbA1c:普段の血糖状態がどれくらいかを示す指標

    HbA1cは、1〜2か月ほどの血糖状態をまとめて示す指標です。

    この数値を見ることで、ここ数ヶ月の生活習慣が全体として良かったのか、改善が必要なのかを把握できます。

    変動が少ないため、糖尿病の診断や治療効果の判定に非常に適しています。

    血糖値:現状の血糖状態がわかる数値

    血糖値は、測定したその瞬間の血糖状態を示す数値です。食前・食後で数値は大きく変動し、日々の血糖の動きを細かく知ることができます。

    特に、食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」は、HbA1cが正常範囲でも起こり得ますこのような瞬間的な異常を発見できるのが血糖値測定の利点です。

    結論:どちらも重要であり、両方の数値をみて総合的に判断する

    HbA1cだけを見ていても、血糖値の急上昇を見逃してしまう可能性があります。逆に、血糖値だけでは、長期的な全体像は掴めません。

    健康な血管を維持し、合併症を予防するためには、HbA1cで長期的なコントロール状態を把握しつつ、必要に応じて血糖値測定で日々の変動を確認する、という両面からのアプローチが理想的です。

    HbA1cはどのくらいが正常?目安と目標を解説

    HbA1cの数値を知るだけでは不十分です。その数値がどのような健康状態を意味するのか、基準値を正しく理解することが重要です。ここでは、健康診断における基準値と、糖尿病治療における目標値を解説します。

    健康診断におけるHbA1cの基準値【正常・予備群・糖尿病】

    日本糖尿病学会が示す基準では、HbA1cの数値によって以下のように判断されます。

    HbA1c (NGSP値) 判定 状態
    5.5%以下 正常範囲 血糖コントロールは良好
    現時点での糖尿病のリスクは低いと考えられる
    5.6%~5.9% 要注意(正常高値) 正常範囲内だが、やや高め
    今後の生活習慣によっては予備群に移行する可能性がある
    6.0%~6.4% 糖尿病予備群(境界型) 糖尿病を発症するリスクが高い
    この段階で生活習慣を改善する
    6.5%以上 糖尿病が強く疑われる 糖尿病の診断基準の一つ
    ・他の検査結果(血糖値など)と合わせて、医師が最終的に診断
    ・速やかに医療機関を受診

    5.5%以下:正常範囲

    この範囲であれば、血糖コントロールは良好です。現在の健康的な生活習慣をぜひ継続してください。

    5.6%~5.9%:要注意(正常高値)

    「まだ正常だから大丈夫」と安心はできません。食生活の乱れや運動不足など、血糖値を上げやすい生活習慣がないか見直す良い機会です。

    6.0%~6.4%:糖尿病予備群(境界型)

    明確な「赤信号」の一歩手前です。この段階では自覚症状はほとんどありませんが、体内ではすでに血管へのダメージが始まっている可能性があります。食事や運動など、生活習慣の改善に本格的に取り組むべきタイミングです。

    6.5%以上:糖尿病が強く疑われる

    この数値が出た場合、糖尿病と診断される可能性が非常に高いです。自己判断で放置せず、必ず専門の医療機関を受診してください。早期に適切な治療を開始することが、将来の合併症を防ぐために不可欠です。

    糖尿病治療におけるコントロール目標値【年齢・状態で変動】

    糖尿病と診断された後のHbA1cの目標は、人それぞれ異なります。年齢、合併症の有無、低血糖のリスク、サポート体制などを考慮して、個別に設定されます。

    合併症予防のための目標:7.0%未満

    多くの成人糖尿病患者さんにとって、まず目指すべき一般的な目標が「7.0%未満」です。

    この値を維持することで、糖尿病の三大合併症をはじめとする様々な合併症の発症や進行を抑制できるという科学的根拠に基づいています。

    治療強化が困難な際の目標:8.0%未満

    低血糖などの副作用で治療の強化が難しい場合や、本人の意思で厳しい管理が困難な場合には、目標を少し緩めて「8.0%未満」とすることがあります。

    高血糖による急性合併症などを防ぐことが主目的となります。

    高齢者(65歳以上)における目標値の詳細

    高齢者は、低血糖を起こすと転倒や骨折、認知機能の低下につながるリスクが高いため、より慎重な目標設定が求められます。

    使用している薬剤の種類や認知機能、身体機能(ADL)などに応じて、目標値は7.0%未満から8.5%未満まで、より細かく設定されます。

    カテゴリー 重症低血糖が懸念される薬剤の使用 目標値(下限)
    (認知機能正常、ADL自立) なし 7.0%未満
    あり 7.5%未満
    (軽度認知障害、手段的ADL低下) なし 7.5%未満
    あり 8.0%未満
    (中等度以上の認知症、基本的ADL低下) なし 8.0%未満
    あり 8.5%未満

    ※高齢者の目標値は、認知機能、ADL、併存疾患、重症低血糖のリスク、余命などを考慮して個別に設定されます。7.0%未満を目指す場合でも、下限は6.5%とし、それを下回らないようにします。

    HbA1cが高い状態を放置する危険性と合併症リスク

    HbA1cが高い状態、つまり高血糖が続くことは、体にとって「じわじわと全身が蝕まれていく」ようなものです。過剰な糖は血管の内壁を傷つけ、硬くしたり(動脈硬化)、詰まりやすくしたりします。その結果、全身に様々な合併症を引き起こすのです。

    糖尿病の三大合併症(細小血管障害)

    特に細い血管が集中している場所に現れやすい合併症です。

    糖尿病網膜症:失明の原因になる

    目の奥にある網膜の血管がダメージを受け、視力低下や、最悪の場合失明に至る病気です。

    日本の成人の失明原因の上位を占めており、初期は自覚症状がないため、定期的な眼科検診が不可欠です。

    糖尿病腎症:人工透析が必要になることもある

    腎臓にある糸球体という毛細血管の塊が障害を受け、老廃物をろ過する機能が低下します。

    進行すると腎不全となり、週に数回の人工透析を受けなければ生命を維持できなくなります。

    日本の新規透析導入原因の第1位は、この糖尿病腎症です。

    糖尿病神経障害:足の壊疽やしびれを引き起こす

    手足の末梢神経が障害され、「しびれ」「痛み」「感覚の鈍化」などが起こります。

    感覚が鈍くなると、足に怪我をしても気づかず、そこから細菌が感染して組織が死んでしまう「壊疽(えそ)」を起こし、足を切断しなければならないケースもあります。

    動脈硬化が引き起こす重大な病気(大血管障害)

    心臓や脳につながる太い血管の動脈硬化が進行することで、命に関わる病気を引き起こします。

    心筋梗塞・狭心症

    心臓に栄養を送る冠動脈が狭くなったり詰まったりすることで、胸の激しい痛みなどを引き起こします。突然死の原因ともなる非常に危険な病気です。

    脳梗塞・脳出血

    脳の血管が詰まったり破れたりすることで、麻痺や言語障害などの後遺症を残したり、命を落としたりする可能性があります。

    末梢動脈疾患(PAD)

    主に足の血管が動脈硬化で狭くなり、血流が悪くなる病気です。歩くと足が痛くなり、休むと治まる「間歇性跛行(かんけつせいはこう)」が典型的な症状で、進行すると安静時にも痛み、最終的には組織が壊死してしまう状態に至ることもあります。

    HbA1cを下げるための基本的な対策3つ

    HbA1cの数値を改善するためには、日々の生活習慣を見直すことが基本となります。その柱となるのが「食事療法」「運動療法」、そして必要に応じた「薬物療法」の3つです。

    食事療法:血糖値を上げにくい食べ方のポイント

    食事は血糖コントロールの要です。単に「甘いものを控える」だけでなく、食べ方にもコツがあります。

    食べる順番を工夫する(ベジファースト)

    食事の最初に野菜やきのこ、海藻類などの食物繊維が豊富なものから食べる「ベジタブル・ファースト(ベジファースト)」を実践しましょう。

    食物繊維が糖の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。

    理想的な順番は「①野菜・きのこ・海藻 → ②肉・魚・大豆製品などのタンパク質 → ③ごはん・パン・麺などの炭水化物」です。

    糖質の量と質を見直す

    ごはんやパン、麺類、いも類などに多く含まれる糖質の「量」を適切にコントロールすることが重要です。

    また、同じ糖質でも、食後の血糖値を上げやすいものと上げにくいものがあります。

    玄米や全粒粉パン、オートミールなど、精製度の低い「質の良い」糖質を選ぶこともポイントです。

    間食や清涼飲料水に注意する

    見落としがちなのが、間食や飲み物に含まれる糖質です。特に、ジュースやスポーツドリンク、加糖コーヒーなどの液体に含まれる糖は吸収が非常に速く、血糖値を急激に上げてしまいます

    飲み物は水やお茶を基本とし、間食はナッツやヨーグルトなど、糖質の少ないものを選ぶようにしましょう。

    運動療法:インスリンの効果を高める

    運動は、ブドウ糖の消費を促すだけでなく、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の効き目を良くする(インスリン抵抗性の改善)効果があります。

    有酸素運動の習慣化

    ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などの有酸素運動は、脂肪を燃焼させ、血糖コントロールを改善するのに効果的です。

    まずは「1日20分程度のウォーキング」から始めてみましょう。「ややきつい」と感じるくらいの強度で、週に3〜5日行うのが理想です。

    レジスタンス運動(筋トレ)の組み合わせ

    スクワットや腕立て伏せなどのレジスタンス運動(筋トレ)を組み合わせることで、筋肉量を増やすことができます。

    筋肉は体内で最も多くのブドウ糖を消費する組織であるため、筋肉が増えれば、それだけ血糖値が上がりにくい体質になります。

    有酸素運動と週に2〜3回組み合わせると、より効果的です。

    薬物療法と定期的な受診の重要性

    食事療法や運動療法を続けてもHbA1cが十分に下がらない場合や、数値が非常に高い場合には、薬物療法が必要となります。

    血糖値を下げる薬には、飲み薬や注射薬(インスリンなど)など様々な種類があり、医師が患者さん一人ひとりの状態に合わせて最適な薬を選択します。

    薬は「生活習慣改善の努力を助けるためのサポート」と捉え、自己判断で中断したりせず、医師の指示通りに続けることが大切です。

    そして、治療がうまくいっているか、副作用はないかなどを確認するためにも、定期的に医療機関を受診し、HbA1cの数値をチェックし続けることが何よりも重要です。

    HbA1cに関するよくある質問

    HbA1cと平均血糖値の換算はできますか?

    はい、おおよその換算式があります。平均血糖値(mg/dL) ≒ 28.7 × HbA1c(%) - 46.7 という式で推定できます。例えば、HbA1cが7.0%の場合、平均血糖値は約154mg/dLと計算されます。ただし、これはあくまで目安であり、個人差があることを理解しておきましょう。

    HbA1cはどのくらいの期間で数値が改善しますか?

    HbA1cは過去1〜2ヶ月の平均値を反映するため、生活習慣を改善してもすぐに数値が下がるわけではありません。赤血球が新しいものに入れ替わるのに時間が必要なため、効果が数値として現れるまでには、少なくとも1ヶ月、はっきりとした変化を見るには2〜3ヶ月の継続的な取り組みが必要です。焦らず、根気強く続けることが大切です。

    HbA1cの検査前に食事制限は必要ですか?

    いいえ、HbA1cの検査前に特別な食事制限は必要ありません。食事の影響を受けないことがHbA1cの大きな利点です。普段通りの生活をした上で検査を受けることで、ありのままの血糖コントロール状態を評価できます。ただし、同時に血糖値も測定する場合は、医師の指示に従い食事を抜く必要があります。

    妊娠中はHbA1cの基準が異なりますか?

    はい、異なります。妊娠中は胎児への影響を考慮し、より厳格な血糖管理が求められます。また、妊娠中は赤血球の寿命が短くなる傾向があるため、HbA1cの数値が通常よりも低めに出ることがあります。そのため、HbA1cは参考値とし、「随時血糖値」や「食後血糖値」などを細かく測定して管理するのが一般的です。「妊娠糖尿病」という妊娠中に特有の状態もあり、産婦人科医や内分泌専門医の指導のもとで管理することが不可欠です。

    まとめ:未来の健康を守るための重要な指標|定期的な検査を

    HbA1cは、単に糖尿病を診断するための数値ではありません。過去の生活習慣を客観的に見直し、将来の重大な病気や合併症を予防するための目安になります。

    健康診断でHbA1cの数値を指摘された方はもちろん、今は正常範囲内の方も、この数値が持つ意味を深く理解し、自身の生活を見直すきっかけとしてください。

    そして、少しでも不安や疑問があれば、次の健康診断を待つのではなく、かかりつけの医療機関に相談することをおすすめします。

    定期的にHbA1cをチェックすることは、将来の健康を守るためにとても大切です。


    免責事項:この記事は、HbA1cに関する一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスに代わるものではありません。具体的な診断、治療、健康管理については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

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