血糖値がなぜ下がる？低血糖の原因・症状・対処法を徹底解説

食後に強い眠気を感じたり、突然冷や汗や動悸が出たりして、「もしかして血糖値が下がりすぎているのでは？」と不安になったことはありませんか。血糖値というと「高い状態」が注目されがちですが、実は下がりすぎることも体にとっては大きなリスクになります。

血糖値は、私たちが日常生活を送るうえで欠かせないエネルギー管理の指標です。適切な範囲で保たれている分には問題ありませんが、何らかの原因で必要以上に低下すると、体はさまざまな不調を起こし、場合によっては命に関わる状態に至ることもあります。

本記事では、「血糖値はなぜ下がるのか」という疑問を軸に、低血糖のメカニズムや原因、見逃してはいけない症状、そしていざという時の対処法までを、医療の視点から分かりやすく解説します。糖尿病の治療中の方はもちろん、そうでない方にとっても、自分の体の変化を正しく理解するための基礎知識として役立つ内容です。

血糖値が下がるメカニズムとは？インスリンの働きが鍵

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を示す数値です。私たちは食事から炭水化物などの糖質を摂取し、それが消化・吸収されることでブドウ糖となり、全身の細胞へ運ばれてエネルギーとして利用されます。

この血糖値は、高すぎても低すぎても体に不調をきたすため、体内では常に一定の範囲に保たれるよう精密に調整されています。その中心的な役割を担っているのが、すい臓から分泌されるホルモン「インスリン」です。

食事によって血糖値が上昇すると、すい臓のβ細胞からインスリンが分泌されます。インスリンは、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪細胞に取り込ませてエネルギーとして使わせたり、肝臓にグリコーゲンとして蓄えさせたりすることで、血糖値を適切な範囲まで下げる働きをします。

つまり、血糖値が下がること自体は、インスリンが正常に働いている証拠でもあります。しかし、何らかの理由でインスリンの分泌量や作用のタイミングがずれたり、インスリンの効果が過剰になったりすると、必要以上に血糖値が低下してしまいます。

このようにして起こるのが「低血糖」と呼ばれる状態です。次の章では、低血糖とはどのような状態なのか、どこからが危険なのかについて詳しく解説します。

低血糖とは？血糖値が下がることで起こる危険な状態

血糖値が必要以上に下がった状態を「低血糖」と呼びます。単に数値が低いというだけでなく、体や脳に十分なエネルギーが行き渡らなくなることで、さまざまな症状を引き起こします。

低血糖は、糖尿病の治療中に起こる副作用として知られていますが、実は糖尿病でない方でも起こることがあるため、誰にとっても他人事ではありません。正しい知識を持ち、早めに気づいて対処することが重要です。

血糖値が低いとされる数値の目安は70mg/dL未満

一般的に、血糖値が70mg/dL未満になると低血糖と判断されます。健康な人でも空腹時にはこの数値に近づくことがありますが、問題となるのは不快な症状を伴う場合です。

さらに血糖値が50mg/dLを下回ると、脳のエネルギー不足による症状が現れやすくなります。意識がぼんやりする、判断力が低下するなどの変化が見られ、重症化すると意識障害に至ることもあります。

このように、低血糖の感じ方には個人差があり、「数値だけで判断できない」という点も特徴のひとつです。

低血糖の危険性｜脳への影響に注意

私たちの体の中で、脳はブドウ糖をほぼ唯一のエネルギー源としています。そのため、血糖値が下がりすぎると、真っ先に影響を受けるのが脳です。

初期の低血糖であれば、糖分を補給することで速やかに回復します。しかし、対処が遅れると、けいれんや意識障害、昏睡状態に陥る危険性があります。

特に、車の運転中や仕事中に重い低血糖発作が起こると、事故につながる恐れもあります。低血糖は「そのうち治るだろう」と様子を見るべき状態ではなく、早急な対応が必要な体の異常として認識することが大切です。

血糖値が下がる主な原因【糖尿病と糖尿病でない場合】

血糖値が下がる原因は一つではありません。糖尿病の治療を受けているかどうかによって、考えられる背景は大きく異なります。

ここでは、「糖尿病の治療中に起こる低血糖」と「糖尿病でない方に起こる低血糖」に分けて、代表的な原因を整理します。

糖尿病治療中に血糖値が下がる原因

糖尿病の治療では、血糖値を下げる薬を使用するため、どうしても低血糖のリスクが伴います。特に、薬と食事・運動のバランスが崩れたときに起こりやすくなります。

薬（インスリン注射・経口血糖降下薬）の作用が強く出た場合

インスリン注射や、SU薬（スルホニル尿素薬）などの経口血糖降下薬は、血糖値を下げる作用が強いため、作用が必要以上に出ると低血糖を引き起こすことがあります。

薬の量が多すぎる、注射や服用のタイミングがずれるといった場合、食事から摂取した糖質量と薬の効果のバランスが崩れ、血糖値が下がりすぎてしまいます。

低血糖を繰り返す場合は、必ず主治医に相談し、治療内容を見直してもらうことが重要です。

食事量や食事タイミングの乱れ

糖尿病治療薬は、通常の食事量を前提に調整されています。そのため、食事を抜いたり、食事時間が大きくずれたりすると低血糖が起こりやすくなります。

特に、インスリン注射後に食事を摂らなかった場合、血糖値は急激に低下します。嘔吐や下痢で食事が十分に摂れなかった場合も、同様のリスクがあります。

予定より長時間・激しい運動を行った

運動は筋肉でブドウ糖を消費するため、血糖値を下げる効果があります。ただし、想定以上の運動量や強度になると、低血糖の原因となります。

特に、空腹時の運動や、インスリンの効果が強く出ている時間帯の運動は注意が必要です。運動前後の血糖測定や、必要に応じた補食が重要になります。

アルコール摂取（特に空腹時）

空腹時の飲酒は、低血糖を引き起こしやすい要因の一つです。アルコールが分解される過程で、肝臓での糖の産生が抑えられるため、血糖値が維持できなくなります。

また、低血糖の初期症状が「酔い」と紛らわしく、発見が遅れる危険性もあります。飲酒をする場合は、必ず食事と一緒に摂るようにしましょう。

2型糖尿病でも低血糖が起こる理由

2型糖尿病はインスリンが効きにくくなる病気ですが、治療薬の種類によっては低血糖が起こります。特に、すい臓を刺激してインスリン分泌を促す薬では、食事量に関係なくインスリンが分泌されることがあります。

そのため、食事が少なかった日や運動量が多い日は、血糖値が下がりすぎる可能性があります。

糖尿病でないのに血糖値が下がる原因

糖尿病ではない方でも、生活習慣や体質、病気の影響によって低血糖が起こることがあります。

反応性低血糖（食後低血糖）

反応性低血糖は、食後2〜4時間ほど経過してから低血糖症状が現れる状態です。糖質中心の食事を摂った後に起こりやすいとされています。

血糖値が急上昇すると、それに反応してインスリンが過剰に分泌され、結果として血糖値が急激に下がってしまいます。食後の強い眠気やだるさ、冷や汗などが特徴です。

胃の切除手術後（ダンピング症候群）

胃の切除手術を受けた方では、食べ物が急速に小腸へ流れ込み、血糖値の急上昇とインスリンの過剰分泌が起こることがあります。

その結果、食後数時間で反応性低血糖と同様の症状が現れることがあり、これを後期ダンピング症候群と呼びます。

空腹時低血糖を引き起こす病気や薬剤

食事とは関係なく低血糖が起こる場合、背景に病気が隠れていることもあります。

インスリノーマ

すい臓にインスリンを分泌する腫瘍ができると、血糖値に関係なくインスリンが分泌され、重い低血糖を起こします。頻度は低いものの、繰り返す空腹時低血糖では鑑別が必要です。

副腎皮質・下垂体の機能低下

血糖値を上げるホルモンが不足すると、相対的にインスリンの作用が強まり、低血糖が起こることがあります。

肝臓の病気

肝臓は糖を貯蔵・放出する重要な臓器です。重い肝機能障害があると、血糖値を維持できず低血糖を起こしやすくなります。

過度な糖質制限やダイエット

糖質摂取を極端に制限すると、体内のブドウ糖が不足し、低血糖を引き起こすことがあります。健康を損なう可能性があるため、無理な制限は避けるべきです。

血糖値が下がっているサインは？低血糖の症状を段階別に解説

低血糖の症状は、血糖値の低下に伴って段階的に現れます。初期のサインに気づき、早めに対処できれば重症化を防ぐことが可能です。

一方で、見逃したり我慢したりすると、意識障害などの危険な状態に進行することもあります。ここでは、低血糖の症状を段階ごとに整理して解説します。

血糖値の目安	症状の段階	主な症状
70mg/dL未満	初期症状（警告症状）	冷や汗、動悸、手の震え、強い空腹感、不安感、顔面蒼白、めまい
50mg/dL未満	進行した症状（中枢神経症状）	頭痛、かすみ目、集中力低下、強い眠気、ろれつが回らない、混乱
さらに低下	重症時の症状	異常行動、けいれん、意識消失、昏睡

初期症状（血糖値70mg/dL未満）

血糖値が下がり始めると、体は危険を察知し、血糖値を上げようとするホルモン（アドレナリンなど）を分泌します。この反応によって現れるのが、いわゆる「警告症状」です。

冷や汗・動悸・手足の震え

交感神経が刺激されることで、突然冷や汗が出たり、心臓がドキドキしたり、手足が細かく震えたりします。安静にしていても起こるのが特徴です。

強い空腹感、不安感

体がエネルギー不足を訴え、強い空腹感に襲われます。理由もなく不安になったり、落ち着かなくなったりすることもあります。

顔面蒼白、めまい

血管の収縮や血流変化により、顔色が悪くなったり、立ちくらみやめまいを感じたりすることがあります。

進行した症状（血糖値50mg/dL未満）

初期症状に気づかず血糖値がさらに低下すると、脳へのエネルギー供給が不足し、「中枢神経症状」が現れます。この段階では、自分で異変に気づきにくくなることがあります。

頭痛、かすみ目

脳のエネルギー不足により、頭痛が出たり、視界がぼやけたりすることがあります。

集中力の低下・強い眠気

考えがまとまらない、会話に集中できないなどの変化が現れます。抗えない強い眠気を感じることもあります。

ろれつが回らない、混乱

言葉がうまく出なくなったり、時間や場所が分からなくなったりと、酔ったような状態になることがあります。

重症時の症状（さらに血糖値が低下した場合）

中枢神経症状がさらに進行すると、生命に関わる危険な状態に陥ります。この段階では、早急な医療対応が必要です。

異常な行動

突然怒り出す、大声を出す、意味の分からない行動をとるなど、普段とは異なる様子を示すことがあります。本人に記憶が残らないことも少なくありません。

けいれん

脳の神経活動が乱れ、全身のけいれん発作を起こすことがあります。

意識障害、昏睡

呼びかけに反応しなくなり、意識を失います。これは低血糖昏睡と呼ばれ、放置すれば命に関わる状態です。

無自覚性低血糖｜自覚症状が出にくい危険なケース

低血糖を繰り返していると、体が低血糖状態に慣れてしまい、初期の警告症状が出にくくなることがあります。これを「無自覚性低血糖」と呼びます。

自覚症状がないまま血糖値が下がり続け、突然意識障害などの重い症状で発症するため、非常に危険です。糖尿病の罹病期間が長い方や、高齢の方では特に注意が必要です。

血糖値が急に下がった時の緊急対処法

低血糖の症状に気づいたら、最も重要なのは「様子を見ないこと」です。血糖値が下がった状態は、自然に回復するとは限らず、放置すると短時間で重症化する可能性があります。

初期症状の段階で正しく対処できれば、重い状態に進行するのを防ぐことができます。ここでは、低血糖が疑われるときに取るべき行動を、状況別に解説します。

まず行うべき基本対応｜吸収の早い糖質をすぐに摂取する

低血糖時の対処の基本は、体にすばやく吸収される糖質を摂ることです。最も推奨されるのは、消化を必要とせず速やかに吸収されるブドウ糖です。

薬局などで販売されているブドウ糖タブレットやゼリーは、低血糖対策として携帯しておくと安心です。

一方で、チョコレートやクッキーなど脂質を多く含む食品は、糖の吸収が遅れるため、緊急時の対処としては適していません。

摂取する糖質量の目安とその後の対応

低血糖時に摂取する糖質量の目安は、ブドウ糖で10g、砂糖であれば20g程度です。ジュースの場合は、150〜200mlが目安になります。

糖質を摂取した後は、15分ほど安静にして症状の改善を確認します。症状が改善しない場合や、血糖値が低いままの場合は、同じ量の糖質をもう一度摂取してください。

症状が回復したあとも、次の食事まで時間が空く場合は、おにぎりやパンなどの炭水化物を追加で摂ることで、再発を防ぐことができます。

意識がない・自分で食べられない場合の対応

本人の意識がはっきりしない場合や、自分で飲食できない状態では、無理に食べ物や飲み物を口に入れてはいけません。誤嚥による窒息の危険があります。

このような場合は、ためらわずにすぐ救急車を呼ぶことが最優先です。救急隊が到着するまでの間は、体を横向きにして寝かせ、吐物による窒息を防ぎます。

家族や周囲の人が知っておくべき対処法

糖尿病治療中の方の家族や周囲の人は、低血糖時の対応についてあらかじめ知っておくことが重要です。

医師から指示を受けている場合には、グルカゴン点鼻薬や注射キットを使用することで、医療機関に到着するまでの応急対応が可能なケースもあります。使用方法は、事前に必ず確認しておきましょう。

低血糖になりやすい人の特徴と予防策

低血糖は誰にでも起こる可能性がありますが、特にリスクが高い人にはいくつかの共通点があります。ご自身が当てはまるかどうかを知っておくことで、日常生活の中で早めの対策が取りやすくなります。

低血糖になりやすい人の特徴とは？

以下のような特徴がある方は、低血糖を起こしやすいため注意が必要です。

糖尿病の薬物治療を受けている人

インスリン注射や、SU薬など一部の経口血糖降下薬を使用している方は、低血糖のリスクが最も高いとされています。薬の作用と食事・運動のバランスが崩れると、血糖値が下がりすぎることがあります。

高齢者

高齢になると、食事量の減少や腎機能・肝機能の低下により、薬の作用が強く出やすくなります。また、低血糖の初期症状に気づきにくく、対処が遅れがちになる点もリスクの一つです。

腎機能・肝機能が低下している人

血糖降下薬やインスリンは、主に腎臓や肝臓で代謝・排泄されます。これらの臓器の働きが低下していると、薬が体内に長く残り、低血糖を起こしやすくなります。

食事が不規則な人

欠食が多い、食事時間が日によって大きくずれるといった生活習慣は、血糖値の変動を大きくし、低血糖の原因になります。

運動量が多い・激しい運動をする人

運動は血糖値を下げる作用がありますが、運動量が多すぎたり、空腹時に運動したりすると、想定以上に血糖値が下がることがあります。

血糖値が下がるのを防ぐための生活習慣

低血糖は、日常生活の工夫によって予防できるケースが多くあります。ここでは、すぐに実践しやすいポイントを紹介します。

食事のポイント｜欠食せず、3食を基本に

血糖コントロールの基本は食事です。欠食を避け、なるべく決まった時間に3食を摂ることを意識しましょう。

食物繊維から食べる（ベジファースト）

食事の最初に野菜やきのこ、海藻などの食物繊維を摂ることで、糖の吸収が緩やかになり、血糖値の急上昇と急降下を防ぐ効果が期待できます。

食事の間隔を空けすぎない

食事と食事の間隔が長く空くと、空腹時低血糖のリスクが高まります。必要に応じて、間食（補食）を取り入れるのも一つの方法です。

糖質に偏らない食事を心がける

お菓子やジュース、白米や白いパンなど血糖値が上がりやすい食品に偏ると、血糖値の乱高下が起こりやすくなります。主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を意識しましょう。

運動のポイント｜タイミングと強度が重要

運動は血糖管理に有効ですが、低血糖を防ぐためには行うタイミングと強度が重要です。

空腹時の運動は避ける

空腹の状態で運動をすると、血糖値が急激に低下することがあります。運動は食後1〜2時間程度を目安に行うのが理想的です。

運動前後の補食を検討する

長時間または強度の高い運動を行う場合は、運動前後に補食を取り入れることで低血糖の予防につながります。

薬の管理とシックデイ対策

糖尿病治療中の方は、薬の自己調整は行わず、必ず主治医の指示に従いましょう。

発熱や下痢、食欲不振などで食事が十分に摂れない日は、血糖値が乱れやすくなります。こうした「シックデイ」に備え、薬の調整方法や受診の目安を事前に確認しておくことが大切です。

血糖値が下がるタイミングに関するよくある質問

血糖値が下がるタイミングについては、「いつ起こりやすいのか」「日常生活の中で気をつけるべき場面はあるのか」といった疑問を持つ方が多くいます。ここでは、診察時によく寄せられる質問を中心に解説します。

Q1. 血糖値は1日の中でいつ下がりやすいですか？

血糖値が下がりやすいタイミングとして多いのは、食事と食事の間が長く空いたときや、食後数時間が経過したあとです。

特に、昼食から夕食までの間や、就寝前から明け方にかけては、血糖値が低下しやすい時間帯とされています。糖尿病の治療中の方では、薬の効果が持続している時間帯と重なることで、低血糖が起こることがあります。

Q2. 食後なのに血糖値が下がることはありますか？

はい、あります。代表的なのが反応性低血糖（食後低血糖）です。

食後に血糖値が急上昇すると、それを下げようとしてインスリンが多く分泌されます。その結果、血糖値が必要以上に下がり、食後2〜4時間ほどで低血糖症状が現れることがあります。

特に、白米や菓子パン、甘い飲み物など、糖質が多い食事を単独で摂った場合に起こりやすいとされています。

Q3. 夜中や明け方に血糖値が下がるのはなぜですか？

夜間から明け方にかけては、長時間食事を摂らない状態が続くため、血糖値が低下しやすくなります。糖尿病治療中の方では、夜間に作用するインスリンや薬の影響によって低血糖が起こることがあります。

また、就寝前の食事量が少なかった場合や、夕食後に運動量が多かった場合も、夜間低血糖のリスクが高まります。

Q4. 運動すると血糖値はどのタイミングで下がりますか？

運動を行うと、筋肉がブドウ糖をエネルギーとして利用するため、血糖値は運動中から運動後にかけて低下します。

特に、空腹時の運動や、インスリンの効果が強く出ている時間帯の運動では、想定以上に血糖値が下がることがあります。

運動後しばらく経ってから低血糖が起こる「遅発性低血糖」が見られることもあり、運動後の体調変化にも注意が必要です。

Q5. お酒を飲んだあとに血糖値が下がるのはなぜですか？

アルコールは肝臓で分解される際、肝臓が血糖値を上げる働きを一時的に止めてしまうという特徴があります。

特に空腹時の飲酒や、糖尿病治療中の方では、飲酒後数時間経ってから血糖値が下がることがあります。就寝中に低血糖が起こるケースもあるため、飲酒時は必ず食事と一緒に摂ることが重要です。

Q6. 血糖値が下がる前に気づくサインはありますか？

低血糖の初期には、冷や汗、動悸、手の震え、強い空腹感、不安感といった症状が現れることがあります。これらは体が危険を知らせるサインです。

「いつもと違う」と感じた時点で早めに対処することで、重い低血糖を防ぐことができます。症状を我慢したり、放置したりしないことが大切です。

まとめ：血糖値が下がる原因を知り、早めの対処で重症化を防ぐ

血糖値が下がること自体は、インスリンが正常に働いている証拠でもあります。しかし、その低下が過剰になると「低血糖」となり、体や脳に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

低血糖は、糖尿病の治療中だけでなく、食事内容や運動、飲酒、体質など、さまざまな要因によって起こります。特に、食事と食事の間が長く空いたとき、食後数時間、夜間や明け方といったタイミングは注意が必要です。

冷や汗や動悸、手の震えなどの初期症状は、体が発している重要なサインです。「少し休めば治るだろう」と様子を見ず、早めに対処することが重症化を防ぐ最大のポイントになります。

また、低血糖を繰り返す場合や、原因がはっきりしない体調不良が続く場合は、自己判断せず医療機関に相談することが大切です。血糖値の変化を正しく理解し、日常生活の中で無理のない予防策を取り入れていきましょう。

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本記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスに代わるものではありません。ご自身の健康状態に関する具体的な懸念については、必ず専門の医療機関にご相談ください。